単分子反応(読み)タンブンシハンノウ

化学辞典 第2版 「単分子反応」の解説

単分子反応
タンブンシハンノウ
unimolecular reaction

分子反応ともいう.ただ1個の分子のみが関与する形式の素反応をさす.また広義には,律速素反応に1個の分子のみが関与する化学反応をいう.後者の場合は,反応分子Aが衝突,そのほかによって活性化され,活性分子を生じ,A* が律速的に分解することで反応が進行するリンデマン機構に従う.この機構に従う反応は,反応圧の低いときには衝突によって A* を生じる過程が律速となり,圧の高い領域の一次反応から二次反応に移行することが知られている.このような状況では,厳密には単分子反応とはいいにくいが,慣習的に低圧でのリンデマン機構に従う反応も含めて,単分子が分解や異性化する反応をすべて単分子反応とよぶことが多い.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の単分子反応の言及

【一分子反応】より

…反応の分子数で化学反応を分類するとき,1個の分子Aだけが関係する形式の素反応A→B(Bは生成物)をさす。単分子反応ともいう。反応は,Aが活性化され,それが単独に分解してBになる機構で進む。…

※「単分子反応」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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