家庭医学館 「単純ヘルペス角膜炎」の解説
たんじゅんへるぺすかくまくえんかくまくへるぺす【単純ヘルペス角膜炎(角膜ヘルペス) Herpes Simplex Keratitis】
角膜神経に単純ヘルペスウイルスが感染しておこる病気です。単純ヘルペスウイルスはふつう神経内に潜伏していますが、発熱、感冒(かんぼう)、ストレス、紫外線などの誘因によって活性化され、神経を下降してきて角膜に炎症をおこすのです。
[症状]
発病初期はまぶたの裏がごろごろして、涙が出て止まらず、まぶしい、ものが見えにくいなどの症状が現われます。角膜の表面には樹木の枝のような傷(樹枝状潰瘍(じゅしじょうかいよう))がみられ、この典型的な病変によって角膜ヘルペスと診断がつきます。
完全には治りにくく、いったん軽快しても再発しやすい特徴があります。また、再発をくり返していると角膜に濁りが残り、視力が低下していきます。
[治療]
抗ウイルス薬のアシクロビル眼軟膏(がんなんこう)がよく効きます。ほかにIDU点眼薬も有効です。角膜炎を何度も再発して視力が著しく低下しても、角膜移植手術(「角膜移植とアイバンク」)で治る可能性がありますので、眼科専門医に相談してみてください。