単純労働(読み)たんじゅんろうどう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「単純労働」の意味・わかりやすい解説

単純労働
たんじゅんろうどう

普通の人間が特別訓練を受けないままでもっている労働能力発揮のことで、簡単労働ともいう。これに対し、特殊的技能を身につけるために特別に平均以上の訓練を受けた労働力が複雑労働力で、その行使が複雑労働である。商品生産社会においては同一労働時間内に複雑労働は単純労働の何倍かの価値を生み出すとされる。単純労働の内容については国によって、また歴史的発展段階によって異なる。現在の日本のように義務教育が普及し社会全体の教育水準が高い社会では、単純労働といえどもかならずしも不熟練労働と一致しない。単純労働・複雑労働と不熟練労働・熟練労働とは別の概念である。

[伍賀一道]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

関連語 熟練労働者

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android