内科学 第10版 「単純性腎囊胞」の解説
単純性腎囊胞(囊胞性腎疾患)
腎皮質に1~数個認められる囊胞で,加齢とともに頻度が増加し,40歳までに20%,60歳までに30%以上に認められる.ほとんどの場合は無症候性のうちに健診や人間ドックでの腹部超音波検査にて発見される.腎機能に影響を及ぼすことはなく,経過観察でよい.ただし悪性が疑われる場合,CTやMRIでの精査が必要となる.また圧迫症状などが出現した場合には,囊胞穿刺,アルコール注入硬化療法などが行われることもある.[望月俊雄]
■文献
Liapis H, Winyard P: Cystic diseases and developmental kidney defects. In: Heptinstall’s Pathology of the Kidney, 6th ed (Jennette JC, Olson JL, et al eds), pp1257-1306, Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, 2007.
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報