精選版 日本国語大辞典「悪性」の解説
あく‐せい【悪性】
〘名〙 (形動)
② (事物の)質の悪いこと。価値の低いこと。
※公議所日誌‐九・明治二年(1869)四月「新旧政府にて造り出せし悪性の貨幣而已ならず」
※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉八「頗る悪性の痙攣病にして」
あく‐しょう ‥シャウ【悪性】
〘名〙
① 仏語。人の性の三つの種類、三性(さんしょう)(善性・悪性・無記性)の一つ。貪(むさぼ)りなど、悪心、および悪心がおこした一切の悪の行為。
※三帖和讚(1248‐60頃)正像末「悪性さらにやめがたし」 〔八十華厳経‐五八〕
② (形動) (━する) 悪い性質。特に、身持ちの悪いこと。酒色にふけったり浮気をしたりすることや、そのような性質・ありさま。また、その人などをいう。
※評判記・役者評判蚰蜒(1674)藤田皆之丞「むねのあくせうの血をくるはせ、人のかねをばすい膏薬(かうやく)」
[語誌]→「あくせい(悪性)」の語誌
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