原中最秘抄(読み)ゲンチュウサイヒショウ

デジタル大辞泉 「原中最秘抄」の意味・読み・例文・類語

げんちゅうさいひしょう〔ゲンチユウサイヒセウ〕【原中最秘抄】

源氏物語の注釈書。2巻。源光行親行共著水原抄」に、親行の子の義行、孫の行阿が代々加筆し、貞治3年(1364)に成立。題は「水原抄」の中の最も秘たる部分の抄録解説を加えた秘伝の書の意。光行に始まる河内方かわちがた学説を知る上で貴重な資料

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の原中最秘抄の言及

【源氏物語】より

…河内方の《水原(すいげん)抄》は大部なものだったが散逸した。その秘説を集めたのが《原中最秘(げんちゆうさいひ)抄》である。親行の弟素寂(そじやく)の《紫明(しめい)抄》も,この学統である。…

【源親行】より

…若いころから《万葉集》の書写,校定に努め,その成果は仙覚の万葉校本の土台となり,《新古今集》の校本もあるが,特に《源氏物語》学者として知られる。父光行(1163‐1244)とともに《源氏物語》の21種の諸本の校合の結果,《河内本源氏物語》を大成,その注釈として父の遺業を継ぎ《水原抄(すいげんしよう)》(散逸),《原中最秘抄(げんちゆうさいひしよう)》を作成。将軍源実朝,藤原頼経,宗尊親王らの歌や《源氏》の師範でもあった。…

※「原中最秘抄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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