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鎌倉時代の和学者。清和源氏満政流。和歌を藤原俊成(しゅんぜい)に、漢学を藤原孝範(たかのり)に学ぶ。源平闘争や承久(じょうきゅう)の乱など戦乱に巻き込まれては、京と鎌倉とを往還し、関東に死す。『千載集(せんざいしゅう)』以下勅撰(ちょくせん)集に19首入集(にっしゅう)しているのをはじめ、歌合(うたあわせ)にも多く出座した歌人であるとともに、『蒙求(もうぎゅう)和歌』『百詠和歌』など、平安朝以来の日本人の幼学書であった漢籍を和訳し、それら諸話を題に和歌を詠んだ。また親交のあった定家とは別の方法で『源氏物語』研究に励み、子の親行(ちかゆき)とともに河内本(かわちぼん)の校訂事業を完成させたうえ、いまは散逸したが、かなり膨大な注釈書『水原(すいげん)抄』を著し、後の『源氏物語』研究に影響を与えた。
[池田利夫]
『池田利夫著『河内本源氏物語成立年譜攷――源光行一統年譜を中心に』(1980・日本古典文学会)』
(五味文彦)
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… 本文もまた当時は浮動性の多いものだったようで,陽明文庫本にその面影の一部を残している。こうした異本群の混乱を救い統一した形に整えようとしたのが鎌倉初期の藤原定家および,ともに河内守となった源光行(みつゆき)(1163‐1244)・源親行(ちかゆき)父子であった。定家は当時の善本とされた7本をもとに〈青表紙本〉を整定し,光行・親行らはさらに多くの本を参考にして〈河内(かわち)本〉を整定した。…
…鎌倉前期の歌学者。生没年不詳。若いころから《万葉集》の書写,校定に努め,その成果は仙覚の万葉校本の土台となり,《新古今集》の校本もあるが,特に《源氏物語》学者として知られる。父光行(1163‐1244)とともに《源氏物語》の21種の諸本の校合の結果,《河内本源氏物語》を大成,その注釈として父の遺業を継ぎ《水原抄(すいげんしよう)》(散逸),《原中最秘抄(げんちゆうさいひしよう)》を作成。将軍源実朝,藤原頼経,宗尊親王らの歌や《源氏》の師範でもあった。…
…1204年(元久1)成立。源光行作。《唐物語(からものがたり)》などと同様の,中国故事を和文化した説話集とも見られる。…
※「源光行」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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