原子力直接発電(読み)げんしりょくちょくせつはつでん(その他表記)nuclear power direct generation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「原子力直接発電」の意味・わかりやすい解説

原子力直接発電
げんしりょくちょくせつはつでん
nuclear power direct generation

核分裂によるエネルギーを熱機関を介することなく直接的に電気に変える発電方法。原子炉内に発生する熱エネルギーを冷却材を通して取り出し,高温高圧の蒸気をつくってタービン発電機を回して発電する現用の原子力発電とは異なっている。直接発電が大規模な形で実現すれば,核分裂エネルギーの利用効率は飛躍的に高まるが,実用化はされていない。放射性同位体の出す崩壊熱電流に変える原子力電池式のほかに,原子炉内の熱を直接電気に変えて取り出す方法があるが,後者には半導体を応用する熱電子放出現象を利用するもの,熱電素子を使うもの,MHD (電磁流体) 発電方式によるものなどが研究されている。原子力電池は太陽光発電のできない深宇宙探査衛星の電源に使われている。

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