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原子力電池 げんしりょくでんちatomic battery

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

原子力電池
げんしりょくでんち
atomic battery

放射性同位体の出す放射線エネルギーを直接に電気エネルギーに変えるように工夫された電池。コバルト 60,イットリウム 90 (ストロンチウム 90の崩壊により生成される) ,プルトニウム 238などのような半減期の長いものが使われる。原理は,放射線が物質に吸収されるとき,もっているエネルギーが熱になることを利用,熱電変換素子で電気に変える。普通の電池に比べて性能が安定し,寿命が長いなどの利点があり,宇宙探査や海洋開発用の機器に使われている。アメリカの外惑星探査機ボイジャーの電源原子力電池であり,最近では心臓疾患の人々のペースメーカーの電源としても使用されている。

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デジタル大辞泉の解説

げんしりょく‐でんち【原子力電池】

半減期の長い放射性同位体が出す放射線のエネルギーを電気エネルギーに変える仕組みの電池。α崩壊を起こすプルトニウム238やポロニウム210が用いられる。寿命が長いため宇宙探査機の電源として搭載されるほか、1960年代に心臓ペースメーカーで利用された。ラジオアイソトープ電池アイソトープ電池RI電池放射線電池

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百科事典マイペディアの解説

原子力電池【げんしりょくでんち】

アイソトープ電池,RI電池とも。人工放射性元素から出る放射線のエネルギーを電気エネルギーに変換する装置。pn接合の半導体結晶にβ線を当て接合部に電子と正孔を発生させる,放射線の熱で熱電対の一接点を暖めるなど種々の方法がある。
→関連項目原子力電池放射性同位元素

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世界大百科事典 第2版の解説

げんしりょくでんち【原子力電池 atomic battery】

放射性同位体radioactive isotope(略称RI)から放出される放射線のエネルギーを電気エネルギーに変換するもので,原子電池,アイソトープ電池,RI電池,アイソトープ発電器などと呼ばれることもある。放射線エネルギーが物質に吸収されて生ずる熱エネルギーを利用する熱電方式が多く用いられている。すなわち,放射線エネルギーを熱源とし,熱遮へい(蔽)によって高温部をつくり,ビスマス‐テルル(Bi‐Te),鉛‐テルル(Pb‐Te),(鉛‐スズ)‐テルル((Pb‐Sn)‐Te)などの熱電変換素子を高温部および低温部に置いたときに生ずる電位差を利用するもので,熱電対と同じ原理に基づく。

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大辞林 第三版の解説

げんしりょくでんち【原子力電池】

放射性同位体から放出される放射線のエネルギーを電気エネルギーに変換する装置。長寿命なので、人工衛星の電源などに使われる。アイソトープ電池。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

原子力電池
げんしりょくでんち

放射性同位元素から放出される放射線のエネルギーを電気エネルギーに変換する装置。アイソトープ電池ともいう。エネルギー変換にはいくつかの方式があるが、アイソトープを熱源として利用し、熱電素子などを用いて電気をおこす方法が主流である。プルトニウム238など長寿命のアイソトープを用いれば、長期間安定してエネルギーが供給されるため、交換が困難な場合の電源として利用される。かつては、体内に移植される心臓のペースメーカーの電源や、人工衛星・宇宙船用の各種電源としても広く用いられた。しかし、1964年アメリカの人工衛星SNAP-9Aが打上げに失敗して、原子力電池用のプルトニウム238約1キログラムが大気中にばらまかれるなどの事故もあり、現在では、十分な太陽光を得られる人工衛星では太陽電池を利用することが多い。また、心臓ペースメーカーでは、長寿命のリチウム電池の使用が一般的となっている。[舘野 淳]

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