去状・避状(読み)さりじょう

精選版 日本国語大辞典 「去状・避状」の意味・読み・例文・類語

さり‐じょう ‥ジャウ【去状・避状】

〘名〙
中世、土地そのほかの財産を他人に引き渡し自分の権利を放棄する旨を「去渡」「去進」「避与」などの文言をもって明記し、後日の証拠のために書き記して相手に渡した証書。実質的には譲状・売券であることが多い。さりぶみ。
※松平定教氏所蔵文書‐文永九年(1272)七月一三日・六波羅下知状「如八幡別当法印今年五月十四日請文者、此事去年十一月御沙汰之時、可其妨之由請文進之畢。今更不異儀云々。者此上者、不子細。早任件避状其沙汰之状如件」
② 妻を離別する時、その証明として夫の方から書いて渡す文書。中世末期以降、女はこの書状がなければ、再婚できなくなっていた。離縁状。暇(いとま)の状。三行半(みくだりはん)。さりぶみ。去り。
大乗院寺社雑事記‐文明七年(1475)八月一二日「円秀妻女依不被叶渡世、去六日より利別、九日遣去状了」
官職をやめさせる辞令。解雇状。暇(いとま)状。さりぶみ。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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