文言(読み)モンゴン

デジタル大辞泉 「文言」の意味・読み・例文・類語

もん‐ごん【文言】

文章中の語句文句。また、言葉。「手紙文言
[類語]文章ぶん書き物一文いちぶん散文編章詞章詞藻文辞ぶんじ文藻文体文面章句書面

ぶん‐げん【文言】

文章や手紙の中の言葉。もんごん。
中国で、口語体に対して、文章体。⇔白話

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「文言」の意味・読み・例文・類語

ぶん‐げん【文言】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 文章や手紙の中のことば。文辞。もんごん。
    1. [初出の実例]「宣告の文言(ブンゲン)に依り」(出典:巖窟王(1901‐02)〈黒岩涙香訳〉一)
  3. ( 「文」はあや、飾りの意。飾ったことばということから ) 中国で、口語体に対して文章体をいう。⇔白話

もん‐ごん【文言】

  1. 〘 名詞 〙 文章中の語句、文句。また、文章。ことば。
    1. [初出の実例]「其理(ことはり)を現す文言曲声に叶ひて」(出典:三道(1423))
    2. 「おやおっかない起請を書く其起請の文ごんに」(出典:浄瑠璃・用明天皇職人鑑(1705)四)
    3. [その他の文献]〔韓非子‐説疑〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「文言」の意味・わかりやすい解説

文言 (ぶんげん)
wén yán

中国語における書面語文章語)の一種。主として,古典に用いられる豊富な語彙と,簡潔な文法と,さらには洗練された修辞法基礎とする。その初めは口語を基礎としたものであろうが,漢字のむずかしさと,中国特有の政治的な環境が,やがて一般大衆言語と遠くかけはなれ,中国近代化の大きな障害となる。そこで,五・四新文化運動の一つの課題として,白話文運動が唱えられるようになった。
中国語 →白話
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「文言」の意味・わかりやすい解説

文言
ぶんげん
Wen-yan

中国における文語文。「書き言葉」の意で,白話に対する。古文ともいう。先秦時代にはかなり固定化し,共通語の役割を果すようになった。口語とはかけ離れた知識階級の文学用語として,20世紀まで大きな力を占めた。日本で通常「漢文」と称する中国古典文がほぼそれに相当する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android