友利之嶽(読み)とうむいぬたき

日本歴史地名大系 「友利之嶽」の解説

友利之嶽
とうむいぬたき

[現在地名]知念村知念

知念ちねん半島の台地の南島斜面に位置する知念ちねんグスク内にある御嶽。「中山世鑑」巻一によれば、開闢神の阿摩美久(アマミキョ)が最初に創った御嶽の一つとされ、「琉球国由来記」には「神名 知念森添森ノ御イベ」とある。同由来記によれば毎年正月と一二月による大勢頭部(女官の筆頭)を招いて行われる祈願があり、また毎年の正月および九月の麦初種・ミヤ種子、隔年の四月の稲のミシキヨマ(初穂祭)のときに当職(男性で国王の名代)を招いての祈願が行われ、知念ノロによって国王の長寿や王家の子孫繁盛、作物豊作、唐・大和・宮古八重山を往来する船の航海安全などを内容とするオタカベが唱えられた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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