反グローバリゼーション(読み)はんぐろーばりぜーしょん

ASCII.jpデジタル用語辞典 「反グローバリゼーション」の解説

反グローバリゼーション

グローバリゼーション」によって生じたといわれる社会問題に対して、合法、非合法的な反対運動を行なうこと。「地域主義」「市民社会運動」「テロリズム」の3つに大分される。1つめの「地域主義」は、EUのように地域統合を進め、しかし同時に、各地域への適正な価値配分、国内産業の保護を進めようという運動をいう。2つめの「市民社会運動」は、グローバリゼーションにともなう一方的な市場経済化の世界的拡大の流れを、積極的に政策へ意見することで是正しようという運動である。例えば1999年、WTO初の貿易自由化ラウンドが、NGO、NPO運動の高まりによって流れたことがある。3つ目は「グローバリゼーション」の進行によって発生したと考えられる貧困に反発し、現体制をテロによって揺るがし、グローバリゼーションの流れを止めようとする運動(不法行為)である。

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知恵蔵 「反グローバリゼーション」の解説

反グローバリゼーション

市場万能主義的な新自由主義経済をグローバリゼーションと捉えて反対していく立場。グローバリゼーションが貧富の差の拡大や環境破壊、社会福祉の後退、労働条件の悪化などをますます深刻化させていくという考えを採る。フランス、ギリシャベルギーなどに多く、1998年にフランスでは、グローバリゼーションに対抗する勢力としてATTACというNGOが生まれた。ATTACとは「市民を支援するために金融取引への課税を求めるアソシエーション」の略で、投機的な金融取引を抑えるために、為替取引の90%以上を占める投機資金に税金(トービン税)をかけて、これを原資として貧困層救済・環境保護のための活動資金にしようとするもの。反グローバリズム統一戦線ともいえる。ドイツ、イタリアにも広がっている。

(渡邊啓貴 駐仏日本大使館公使 / 2007年)

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