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非政府組織non governmental organizationsの略称。NGOは,第1に,国家の政府が追求する国益に拘束されないこと,第2に,国境を越えた自由な提携の運動を高めることの主として二つの特色をもつ国際組織である。後者の特色は,その目的が営利性か否かによって,非営利非政府組織(INGO)と営利非政府組織(BINGO)とに分かれる。前者の国益非拘束条件ともいうべきものは,とくに1950年2月の国連経済社会理事会288号決議(10項)によってその方向が打ち出された。
非営利のNGOに限ってみても,戦後国際政治のなかでのその成長は目覚ましい。これらのNGOは,60年代以降,年率およそ6%で増大をみてきた。NGOの活動領域は,医療,自然科学,平和運動,宗教および学術文化交流にいたるまで広範多岐にわたっている。そして営利非政府組織については,その活動は,多国籍企業(MNC)によって最も典型的に代表される。
国際政治の新たな行為主体としての非政府組織は,国際関係にさまざまに重要な意義をもたらしている。一つには,非政府組織が政府間国際関係とは異なった脱国家型の国際関係(トランスナショナル・リレーションズ)を台頭させたことである。政府間の国際関係は,厳しく国益が対立しあうため,ふだんに紛争状況に陥りやすい。一方,脱国家型の国際関係は,国益の壁を破ろうとしている。二つ目の意義は,非政府組織が従来のような閉鎖型の国際政治に民主主義の思想を新たにとり入れ,国々の民衆の利益を優先させる新しい世界秩序を構想していく契機をつくりだしている点にある。たとえば,70年代以降,核軍縮に向けた非政府組織の運動が活発である。既成の平和の秩序が問い直されている。この息吹のなかに,イデオロギー体制や主義主張を異にする国々の市民がいかに多く参加していくかが今後の非政府組織の課題でもある。
執筆者:鴨 武彦
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開発途上国への援助活動をしている非政府組織のこと。
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