反メーソン党(読み)はんメーソンとう(英語表記)Anti-Masonic Party

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「反メーソン党」の意味・わかりやすい解説

反メーソン党
はんメーソンとう
Anti-Masonic Party

アメリカ史上初の第三政党ジャクソン民主主義の時代に,特権階級の人々の属する特権的秘密結社フリーメーソンに反対する反メーソン運動のなかで生れ,反ジャクソン主義と平等主義旗印とした。 1826年フリーメーソン暴露書をめぐる W.モーガン失踪事件をきっかけに反メーソン運動がニューヨーク西部から広がり,30年代初頭までに各地で政治機関がつくられた。初期には純粋にフリーメーソンの特権的組織に反対するものであったが,30年頃にはメーソン会員であるジャクソン反対を旗印とした政党へと転換した。州内で多数党を形成したのはバーモントのみであったが,ペンシルバニアでは奴隷制反対の強力な推進団体となるなど,31年にはアメリカ史上初めて全国大会を開催し,大統領,副大統領候補を指名するまでに成長した。しかし,36年の大統領選挙以来急速に衰退し,ホイッグ党に吸収されていった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android