バーモント(読み)ばーもんと(英語表記)Vermont

翻訳|Vermont

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バーモント」の意味・わかりやすい解説

バーモント
ばーもんと
Vermont

アメリカ合衆国、ニュー・イングランド地方の州。面積2万4887平方キロメートル、人口60万8827(2000)。州都モントピーリア。州名は、フランス語の「緑の山」に由来する。北をカナダ、東をニュー・ハンプシャー州、西をニューヨーク州、南をマサチューセッツ州と接し、東境をコネティカット川が流れ、西境シャンプレーン湖がある。州土の60%を森林が占め、中央部を南北にグリーン山脈が走り、北東部にホワイト山地、南西部にタコニック丘陵、北西部にシャンプレーン湖谷が広がる。気候は温帯に属すが、地域によって多様に変化し、山岳地域の冬はとくに厳しく、積雪量が多い。肥沃(ひよく)な土地には恵まれないが、コネティカット川流域やシャンプレーン湖谷を中心に大規模な酪農が発達し、市場向け野菜、リンゴなど果樹栽培が盛ん。メープル・シロップはとくに名高い。また、鉱物資源にも恵まれ、滑石は全米第1位、アスベストは第2位の産出高を誇り、バーモント産の御影石(みかげいし)、大理石は広く全国に名を馳(は)せている。近年、ウィンザー・スプリングフィールドを中心に機械・コンピュータ部品・プラスチック・食品加工工業の進出が著しく、豊かな自然は観光産業を大きく支えている。

 1609年にフランス人シャンプレーンが初めて探検に入り、66年にはフランスの、1724年にはイギリスの入植が始まった。フレンチ・アンド・インディアン戦争(1755~63)後の1763年、イギリスの統轄下に入る。独立戦争ではE・アレン率いる義勇団グリーン・マウンテン・ボーイズが活躍し、1777年独立宣言を発し、91年に独立13州を除いて最初の州として合衆国に加わった。数多くの山や川など美しい自然に囲まれ、ニュー・イングランド地方独特の風景が多くの行楽客を魅了し、登山ハイキング、キャンプ、スキーなど四季を通じて楽しむことができる。ベニントン大学、ミドルベリー大学、バーモント大学が教育の中核をなす。主要都市はバーリントン、ラトランド、サウス・バーリントン、バリーなどである。

[作野和世]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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