反グローバリゼーション(読み)はんぐろーばりぜーしょん(その他表記)anti‐globalization

知恵蔵 「反グローバリゼーション」の解説

反グローバリゼーション

市場万能主義的な新自由主義経済をグローバリゼーションと捉えて反対していく立場。グローバリゼーションが貧富の差の拡大や環境破壊、社会福祉の後退、労働条件の悪化などをますます深刻化させていくという考えを採る。フランス、ギリシャベルギーなどに多く、1998年にフランスでは、グローバリゼーションに対抗する勢力としてATTACというNGOが生まれた。ATTACとは「市民を支援するために金融取引への課税を求めるアソシエーション」の略で、投機的な金融取引を抑えるために、為替取引の90%以上を占める投機資金に税金(トービン税)をかけて、これを原資として貧困層救済・環境保護のための活動資金にしようとするもの。反グローバリズム統一戦線ともいえる。ドイツ、イタリアにも広がっている。

(渡邊啓貴 駐仏日本大使館公使 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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