取外(読み)とりはずす

精選版 日本国語大辞典 「取外」の意味・読み・例文・類語

とり‐はず・す ‥はづす【取外】

〘他サ五(四)〙
① つけてあるものをはずす。はずしてとる。とりはなつ。
怪談牡丹燈籠(1884)〈三遊亭円朝〉一二「首に懸けてゐる御守を取はずして伴蔵に渡し」
② 手から落とす。つかみそこなう。とり落とす。また、よい時機をつかみそこなう。とりにがす。
今昔(1120頃か)二「此の生(うまれ)たる皇子を取りはづして此の河に落し入つ」
③ 不注意で物事をやりそこなう。うっかりしてしそんじる。失敗する。また、人生をあやまる。道を踏みはずす。
落窪(10C後)四「とりはづして落窪といひたらん、何かひがみたらん」
※発心集(1216頃か)二「彼は取(トリ)はづして、悪しき道に入りたれば」
④ うっかりしてそそうをする。大小便などをもらしたり放屁したりする。
仮名草子・尤双紙(1632)下「人中にてとりはづしてのおならは、誰もはづかし」
遊女が客との情交に思わず本気になってしまう。
洒落本跖婦人伝(1753)「二人の女郎は。〈略〉取はづしたるあしたのごとく。茫然としてたつもたたれず」

とり‐はずし ‥はづし【取外】

〘名〙
① とりつけられたものをはずすこと。
※海に生くる人々(1926)〈葉山嘉樹二八「取り外しは取りつけから見ると比較にならぬ程手軽に行った」
② 組み合わせたり、はずしたりできること。また、その仕かけ。
和英語林集成初版)(1867)「Torihadzshi(トリハズシ)ノ デキル ツクエ」
③ 不注意で物事をやりそこなうこと。うっかりしてしそんじること。特に、大小便をもらしたり放屁したりすることをいう。そそう。失敗。
※仮名草子・大仏物語(1642)下「むかし足利の学校喝食、ふ意にとりはづしをいたせしとき」

とっ‐ぱず・す ‥ぱづす【取外】

〘他サ五(四)〙 「とりはずす(取外)」の変化した語。
雑兵物語(1683頃)上「手にもぬったらばよかんべいが、とっぱづして目なんどをいじった時、血目玉ががいにうずくべいぞ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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