口近い(読み)クチヂカイ

デジタル大辞泉 「口近い」の意味・読み・例文・類語

くち‐ぢか・い【口近い】

[形][文]くちぢか・し[ク]近世語
身近でありふれている。話題にしやすい。
「およそ人の知った、―・いめりやすの分」〈黄・艶気樺焼
口当たりがよい。人の受けがよい。
「―・い湯加減をしる佐吉也」〈柳多留三一

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精選版 日本国語大辞典 「口近い」の意味・読み・例文・類語

くち‐ぢか・い【口近】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]くちぢか・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 誰でもよく口にするものである。話題にしやすい。
    1. [初出の実例]「今時はうまき物は宵にといふ事口近(クチチカ)し」(出典:浮世草子・椀久二世(1691)上)
  3. 口あたりがよい。人の受けがよい。売れ口がよい。
    1. [初出の実例]「口ぢかひ湯加減をしる佐吉也」(出典:雑俳・柳多留‐三一(1805))
  4. 入口近い
    1. [初出の実例]「口近ひ化物で先づ一つ消し」(出典:雑俳・柳多留‐初(1765))

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