古今役者物語(読み)ここんやくしゃものがたり

改訂新版 世界大百科事典 「古今役者物語」の意味・わかりやすい解説

古今役者物語 (ここんやくしゃものがたり)

江戸時代の芝居絵本菱川師宣筆。1678年(延宝6)刊。別称狂言尽》。寛文(1661-73)ころの舞台面を描き,せりふや歌の詞章が記されている。現存資料の乏しい初期歌舞伎の演技,演出,扮装装置などが,絵によって具体的に知られ,貴重な演劇資料となっている。師宣の絵本としても力編のひとつとされ,美術的評価も高い。内容は劇場前の図,歌舞伎子のはべる座敷図,楽屋内の図を冒頭に,以下三番叟にはじまる数葉の舞台図が配置される。これは誌上の芝居町案内をもくろんだものといわれ,同じく師宣筆の遊里案内絵本《吉原恋の道引》は,本書の姉妹編である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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