ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「古典論理」の意味・わかりやすい解説 古典論理こてんろんりclassical logic 通常使う論理体系。その後の新しい論理である直観論理,多値論理などと区別するために古典論理と呼んでいる。記号論理学では,命題を表す記号を P,Q とするとき,論理記号で結合した P∧Q(P かつQ),P∨Q(P またはQ),¬P(P でない),P⊃Q(P ならQ)などを論理式と呼ぶ。いくつかの論理式を常に正しいものと仮定し,これを公理とし,論理式を導くための推論規則を規定すると,正しい論理式を導く(論理式を証明する)ための形式的な計算体系が構成できる。これを論理と呼ぶこととすると,公理と推論規則の決め方でいくつかの論理を規定することが可能である。ゴットロープ・フレーゲやバートランド・A.W.ラッセルらによって形式化されたものは,たとえば,公理として,(1) p⊃(q⊃p),(2)(p⊃(q⊃r))⊃((p⊃q)⊃(p⊃r)),(3)(¬q⊃¬p)⊃((¬q⊃p)⊃q)を設定し,推論規則として,(4) 論理式「p」と,「p⊃q」から論理式「q」を導く分離規則を認めて体系を構成することができるが,これが古典論理である。なお古典論理では,排中律「A∨¬A」(A か A でないかのどちらかが成り立つ)は常に成立するが,必ずしも成立しない論理(直観論理)もある。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by