…古楽はトレモロ奏法を用いないので,様式上の区別がつく。また乱声(らんじよう)という様式の曲があり,これに新楽乱声と古楽乱声がある。かつては新楽乱声と古楽乱声を対比的に用いた例もあるが,現在では新楽乱声は《振鉾(えんぷ)》という儀式開始の舞楽に用いられ,古楽乱声は林邑楽系の舞楽の登場曲に使われている。…
…現在は7種類の乱声が用いられている。唐楽では左方(さほう)の《振鉾(えんぶ)》の登場音楽である〈新楽乱声(しんがくらんじよう)〉,《迦陵頻(かりようびん)》《胡飲酒(こんじゆ)》《蘇莫者(そまくしや)》《抜頭(ばとう)》の登場音楽である〈古楽乱声(こがくらんじよう)〉(〈林邑乱声(りんゆうらんじよう)〉とも),《振鉾》《還城楽(げんじようらく)》《陵王(りようおう)》の導入曲である〈小乱声(こらんじよう)〉,《安摩(あま)》《二ノ舞》の登場音楽,および当曲,《還城楽》《陵王》の退場音楽である〈安摩乱声〉,《還城楽》《陵王》の登場音楽である〈陵王乱声〉の5種類,高麗楽では右方(うほう)の《振鉾》《貴徳(きとく)》《胡蝶(こちよう)》《新靺鞨(しんまか)》《八仙(はつせん)》《林歌(りんが)》の登場音楽である〈高麗乱声〉と,〈高麗乱声〉の前に舞の導入曲として奏される〈高麗小乱声〉の2種類。なお,〈小乱声〉と〈高麗小乱声〉は笛の独奏に太鼓と鉦鼓が加わる短い曲で,そのあとに乱声が続くのが普通である(例外として《納曾利(なそり)》は〈高麗小乱声〉のあと,すぐに当曲が奏される)。…
※「古楽乱声」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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