古物語(読み)フルモノガタリ

デジタル大辞泉 「古物語」の意味・読み・例文・類語

ふる‐ものがたり【古物語】

昔の話。思い出話
「―にかかづらひて夜を明かし果てむも」〈橋姫
古い時代に作られた物語類。特に、源氏物語以前の物語類。
本歌に取ること、草紙には源氏の事は申すにおよばず、―も取るなり」〈正徹物語・下〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「古物語」の意味・読み・例文・類語

ふる‐ものがたり【古物語】

〘名〙
① 昔のでき事などを内容とした語り。昔の話。昔ばなし。昔の思い出ばなし。
※源氏(1001‐14頃)橋姫「ふる物かたりにかかづらひて、夜を明かし果てむも」
② 古い物語文学の作品。特に「源氏物語」より前の物語をいうことがある。
蜻蛉(974頃)上「世の中におほかるふるものがたりの端などを見れば」
[語誌]「むかしものがたり」という語があり、①②と同じ意味を表わすが、「ふるものがたり」には「むかしものがたり」をおとしめていうニュアンスがあるため、①②いずれの意味でも「むかしものがたり」の方が用例は圧倒的に多い。

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