コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

草紙/草子/双紙/冊子 ソウシ

デジタル大辞泉の解説

そう‐し〔サウ‐〕【草紙/草子/双紙/冊子】

《「さくし(冊子)」の音変化か》
漢籍和本などで、紙を綴(と)じ合わせた形式の書物。綴じ本
物語・日記・歌書など、和文で記された書物の総称。
御伽(おとぎ)草紙草(くさ)双紙など、絵入りの通俗的な読み物の総称。
習字用の帳面。手習い草紙。
書き散らしたままの原稿。
「この―、目に見え心に思ふ事を」〈・三一九〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

草紙
そうし

紙を綴(と)じたものおよび綴じてつくった書物の総称。「草子」「冊子」「策子」「双紙」などの字もあてる。製本形式の一つで、粘葉綴(でっちょうとじ)、胡蝶(こちょう)綴、大和(やまと)綴、袋(ふくろ)綴など綴じ方は多様であるが、紙を重ねて糊(のり)または糸、こより、紐(ひも)などで綴じたものをいう。古代から行われていた「巻子本(かんすぼん)」(巻物)にかわって、中国では唐代(7~9世紀)、わが国では平安初期(9世紀初頭)からみられるが、空海が唐から将来した『三十帖(さんじゅうじょう)冊子』が原形と思われる。
 大きく、糊綴と糸綴に分けられるが、糊綴は「粘葉綴」といい、二つ折りにした料紙の折り目の部分に糊をつけて重ねていく方法。初めは巻子本同様、これに表紙と紐をつけてくるんでいた(『三十帖冊子』がこの形式)が、のちには表紙も糊付けした『元暦(げんりゃく)校本万葉集』や『御物粘葉本朗詠』の形となった。
 糸綴は3、4枚ずつ重ねた料紙を二つ折りにし、その折り目の部分を糸で綴じるが、その形態から「胡蝶綴」「襲(かさ)ね綴」などとよぶ。『関戸本(せきどぼん)古今集』『元永本(げんえいぼん)古今集』などがこれで、平安中期以降もっぱらこの技法が用いられた。『一条摂政(せっしょう)集』などにみられる「大和綴」は、重ねた料紙の背に近い部分に二ないし四か所錐(きり)で穴をあけ、こよりまたは紐で綴じたもので、簡便な仮綴から始まった形だが、しだいに表紙や紐がりっぱになっていった。「袋綴」とは、料紙を二つ折りにして重ね、表紙と裏表紙をつけて糸で四か所綴じる形式をいう。綴じ穴が四つあるところから「四つ目綴」ともよばれる。中国の明(みん)代(14~17世紀)の製本形式が室町時代にわが国に入り、江戸時代に流行した技法である。[植村和堂]
 なお「そうし」ということばは、古くは物語、日記、歌書などの和文で記された書物(例『枕草子(まくらのそうし)』)を、近世では御伽(おとぎ)草子、草双紙、絵草紙のように、絵本や挿絵入り小説本の総称、あるいは字を習うための手習草紙をさすなど、さまざまに用いられている。[小川乃倫子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の草紙/草子/双紙/冊子の言及

【本屋】より

…したがって〈物の本屋〉=本屋は,宗教書,学問書,教養書などの書物を商う者の称であった。これに対して,娯楽的な書物は草紙(草子)といわれ,これを商う者は草紙屋,絵草紙屋と称された。江戸時代には総称して本屋ともいったが,正式には取扱い品目,名称が区別されていた。…

※「草紙/草子/双紙/冊子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

草紙/草子/双紙/冊子の関連キーワード東京国立博物館戯草紙・戯双紙喜む良 勇吉しからみ草紙たどろたどろ天保忍法帖めさまし草漏路・匿路鶴鳴堂主人酌を取るゲオルゲ草紙挟み即興詩人御伽草子草紙合せ鈴木正三武藤元信繁野話刀引き笑い本

今日のキーワード

OAR

2018年の平昌五輪に国家資格ではなく個人資格で参加したロシア国籍の選手のこと。「Olympic Athlete from Russia(ロシアからの五輪選手)」の略。14年ソチ五輪での組織的なドーピ...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android