改訂新版 世界大百科事典 「古生ヒカゲノカズラ」の意味・わかりやすい解説
古生ヒカゲノカズラ (こせいひかげのかずら)
初期のヒカゲノカズラの仲間で約3億7000万年前のデボン紀に産したシダ植物の化石群(目)Protolepidodendrales。ドレパノフィクスDrepanophycus,バラグワナチアBaragwanathia,アステロキシロンAsteroxylon,古生鱗木(りんぼく)Protolepidodendron,コルポデキシロンColpodexylonなどを含む。放射中心柱をもつ直径1~5cmの茎は一面にらせん状に配列された葉で覆われている。現生ヒカゲノカズラ類の祖先系の植物で,生殖器官は現生のように胞子をつけた胞子葉が集合して胞子囊穂を作ることはなく散在している。現生ヒカゲノカズラの葉は1本の脈をもった針状の小葉であるが,古生ヒカゲノカズラのドレパノフィクスでは分枝せず,古生鱗木では二叉分枝,コルポデキシロンでは三叉分枝,レクレルキアLeclercqiaでは多分枝と小葉がいくつにも分枝するのが最大の特徴である。デボン紀特有の小葉植物で,ドイツ,アメリカ,カナダ,アルゼンチン,南ア,オーストラリアから産出する。
執筆者:浅間 一男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報