最新 地学事典 「古生物地理」の解説
こせいぶつちり
古生物地理
palaeobiogeography
地質時代における古生物の地理的分布。過去における水陸の分布状態を示したり,生物の変遷を明らかにするのが古生物地理学。現在の生物分布を対象とする生物地理にあっては,きわめて短い時間における生物相の分布の型をとらえられるが,古生物地理ではある時間的累積における生物相をとらえる。それぞれの分類群で経験的に行われてきた。陸上動物では目・科レベルで,海生動物では属や種群で古生物地理区が決められることが多い。オルドビス紀・シルル紀の筆石相,貝殻相のように堆積物の水平的な岩相変化と関連させることもあり,一つの堆積盆地内における塩分濃度や地形変化やある地域の気候変化と組み合わせて考察することもある。カンブリア紀前期のOlenellus区とRedlichia区(小林貞一,1965),石炭-ペルム紀におけるゴンドワナ植物界・アンガラ植物界・カタイシア植物界・ユーラメリア植物界,更新世におけるインド-マレー動物群とシナ-マレー動物群(G.H.R.v.Königswald, 1946)のような例があり,古地理変遷や大陸移動の論拠となっている。
執筆者:亀井 節夫・上田 哲郎
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

