日本大百科全書(ニッポニカ) 「古竜脚類」の意味・わかりやすい解説
古竜脚類
こりゅうきゃくるい
prosauropods
[学] Prosauropoda
竜盤目竜脚形類(亜目)古竜脚類(下目)に分類される恐竜。三畳紀の代表的な恐竜の一群で、三畳紀後期の約2億3000万年前に現れ、ジュラ紀前期末の約1億7560万年前に絶滅した。恐竜が地球上に出現してしばらくの間、もっとも個体数の多い大形恐竜であり、そのころは現在の大陸が分裂・移動する以前のパンゲア超大陸の時代なので、恐竜たちは陸伝いに各地に分布できた。長い頸(くび)を動かして植物の葉を食べる初めての脊椎(せきつい)動物となった。草食性で、胃石(ガストロリス)を使って食べ物を消化していたとされている。古竜脚類は、角質のくちばしがある、頬(ほお)がある、手の親指のつめが伸びる、足の小指の中足骨(ちゅうそっこつ)が小さくなるなどの共通の特徴をもっている。古竜脚類には約20属が含まれるが、一般に三つのグループが認められている。三畳紀後期の小形のテコドントサウルス類、三畳紀後期からジュラ紀中期のアンキサウルス類、および大形恐竜プラテオサウルス類である。陸生脊椎動物化石産地でのこのグループの化石産出は全体の7~8割に達することもある。
[小畠郁生]