古郡郷(読み)ふるごおりごう

日本歴史地名大系 「古郡郷」の解説

古郡郷
ふるごおりごう

和名抄」東急本・高山寺本とも訓を欠く。初期の地留郡家の所在郷と思われる。郷域を現北都留郡上野原うえのはら町方面に求めるのが「甲斐国志」以来の通説で、同書はその根拠として上野原牛倉うしくら明神の慶長六年(一六〇一)および元和元年(一六一五)の棟札に「古郡上野原」とみえ、その西一里ばかりの和見わみ(現上野原町)に臨済宗古郡山江月こうげつ寺が、上野原の南西二里には古郡左衛門(保忠)の館跡があることをあげている。古郡保忠は建暦三年(一二一三)の和田合戦で和田氏側に荷担して滅ぼされた。「吾妻鏡」建保元年(一二一三)五月七日条にみえる乱後の論功行賞として、加藤兵衛尉に与えられた甲斐国の「古郡」は、当郷の後身とみてよい。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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