叩付(読み)たたきつける

精選版 日本国語大辞典 「叩付」の意味・読み・例文・類語

たたき‐つ・ける【叩付】

〘他カ下一〙 たたきつ・く 〘他カ下二〙
① たたいて物にぶつける。はげしくなげつける。また、ぶつけるように強くたたく。たたきふせる。転じて、徹底的にやっつける。
浮世草子武道伝来記(1687)三「急にたたき付られ、木の根につまづき」
安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉二「しゃくにさはって、たたきつけてかへらうと思ったれど」
幼児の背中を軽くたたいて寝かしつける。
※俳諧・へらず口(不角撰)(1694)「酔ばただ寝たが能い迚敲(タタキ)付〈友露〉」
③ 自分の考えを無理に押しつける。圧迫して従わせる。
浄瑠璃曾根崎心中(1703)「私合点致さぬを、老母をたらしたたきつけ」
④ 激しい勢いで、物などをさし出す。また、激しい調子で相手にものを言う。
※落語・性和善(1891)〈三代目春風亭柳枝〉「尤(もっと)も先方(むかふ)では何んでも要(い)らんと申ますのを私が叩き付けて来ました」
⑤ 仕事などを手早くかたづける。
※雑俳・川柳評万句合‐明和六(1769)礼三「松過の駕一日(いちにち)にたたきつけ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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