精選版 日本国語大辞典 「可愛そう」の意味・読み・例文・類語
かわい‐そうかはいさう【可愛そう・可哀想】
可愛そうの語誌
中世末から近世初頭にかけて成立した語。「かわいい」の成立当時の意味からすると、不憫なさま、愛らしいさま、両方の意が考えられるが、後者の意は「かはゆさう」という古い語形と方言に残るだけで、もっぱら不憫なさまの意で用いられる。これは、「かわいい」の意味の中心が不憫から愛らしいの意に移行し、消失しつつあった不憫の意を「かわいそう」が担ったためである。表記も「可愛そう」から「可哀想」などと変化している。→かわゆい(可愛)
かあい‐そう‥さう【可愛そう】
- 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「そう」は接尾語。「かあい」は「かわい」の変化した語 ) あわれで人の同情をさそうようなさま。気の毒なさま。ふびんなさま。かわいそう。
- [初出の実例]「かあひそうに・又おれほどの謡もない」(出典:雑俳・軽口頓作(1709))