可成・可也(読み)かなり

精選版 日本国語大辞典 「可成・可也」の意味・読み・例文・類語

か‐なり【可成・可也】

[1] 〘形動〙 (よいとして許す意味の「可」に断定助動詞「なり」の付いてできたもの)
① 十分ではないが一応の程度までいっているさまにいう。相当の水準に達している状態。〔雑筆略注(1561)〕
広益国産考(1859)二「甘蔗を作らば〈略〉甘味薄くても、ケ成(カナリ)に出来ざる事あるべからず」
② 相当、はなはだしい程度に達している状態にいう。
多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉後「何でも麻布辺の可也(カナリ)にしてゐる官吏の娘で」
夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村〉第二部「中津川辺へはまだかなりの距離があり」
[2] 〘副〙 思ったより以上に。相当な程度に。
坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉四「夫(それ)から可也ゆるりと、出たり這入ったりして」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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