化学辞典 第2版 「可逆電極」の解説
可逆電極
カギャクデンキョク
reversible electrode
電極電位をその平衡電極電位よりわずか貴の電位にしたとき,酸化反応(たとえば,金属の溶解反応)が起こり,逆に卑にした場合には還元反応(たとえば,金属の析出)が起こるような状態にある単純電極をいう.すなわち,過電圧の非常に小さい電極である.銀や銅を,それぞれの金属イオンを含む溶液に浸して構成した電極は可逆電極になりやすいが,遷移金属の電極の場合にはなりにくい.また,水素電極は,白金黒付き白金を電極とした場合には可逆電極として作用するが,水銀などを用いた場合には可逆電極とならない.可逆電池は,一対の可逆電極を組み合わせることによってできる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報