改訂新版 世界大百科事典 「台形公式」の意味・わかりやすい解説
台形公式 (だいけいこうしき)
trapezoidal rule
定積分
の近似計算のための公式。区間[a,b]をn等分した分点をa=x0,x1,x2,……,xn=bとし,それらに対応するf(x)の値をy0,y1,y2,……,ynとする。n個の小区間[x0,x1],[x1,x2],……,[xn-1,xn]において,関数y=f(x)のグラフを,それぞれ図のように線分で置き換えて
h=\(\frac{b-a}{n}\)
とすると,各小区間における積分の近似値は,台形の面積の公式により,それぞれ
となるから,これらを加えて次の近似公式が得られる。
これを台形公式という。台形公式はシンプソンの公式より精度は悪いが,近年はコンピューターの発達により,分割数nを大きくすることによって精度をあげることができるので,式の形が簡単な台形公式も有用である。
執筆者:伊藤 清三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報



上の公式は定積分の近似値を台形の和として求めるので,台形公式という。これは
における重みは,
である。とくにn=1のときが台形公式,
n=2のときがシンプソンの1/3公式,
n=3のときがシンプソンの3/8公式,
である。よりよい近似を得るため,実際は[a,b]を多くの小区間に等分し,各小区間でn次多項式fn(x)を用いる複合則を適用する。…