デジタル大辞泉
「グラフ」の意味・読み・例文・類語
グラフ(graph)
1 二つ以上の数量や関数の関係を図形に示したもの。
2 写真を主体とした雑誌。画報。
[類語]画報・画集・絵本
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
グラフ
- 〘 名詞 〙
- ① ( [英語] graph ) 関数関係を図表で表わしたもの。多くの場合、一つの変数を縦軸にとり、もう一つの変数を横軸にとることによって変数間の関数関係を表わす。関数の図による表現。〔現代新語辞典(1919)〕
- [初出の実例]「佐和はグラフを作ったり、図面を引いたりすることが好きらしく」(出典:末裔(1953)〈井上靖〉)
- ② ( [英語] graphics からか ) 写真や絵画を主にした雑誌。画報。〔新撰現代語字典(1931)〕
- [初出の実例]「独りでサロンにゐて、グラフを読んでゐたが」(出典:縮図(1941)〈徳田秋声〉山荘)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
グラフ
graph
数学では,普通は関数のグラフの意味で用いられるが,関係を表わす図式としても使用される。 (1) 関数のグラフ 関数 f(x) が与えられたとき,平面上に直交座標系O- xy を設けると,定義域の任意の点 x に対して,1点 P(x,f(x)) が平面上に定まる。このような点すべての集合を関数 f(x) のグラフという。 (2) 関係のグラフ ケーニヒの意味でのグラフ,あるいはリニアグラフともいう。ある集合 R と,多意写像 (多価関数) Γ:R→R があるとき,R と Γ との組 G=(R,Γ) をグラフという。このグラフは,R の元 (グラフの点という) の間を矢印のある線で結んで表現される。 R の2点 x,y が y∈Γ(x) という関係にあるとき,x から y へ矢印のある線を引くことにする。グラフに表現できる関係としては,人間の血縁関係,電信の連絡網など,具体的にも抽象的にも多くのものがある。図 (2) のグラフは,次の関係を表わしている。
Γ(a)={b,c,d}
Γ(b)={a,d}
Γ(c)={d}
Γ(d)=φ
Γ(e)={e}
ただし R={a,b,c,d,e} とする。
グラフ
Graf, Steffi
[生]1969.6.14. ブリュール
ドイツのテニス選手。本名 Stephanie Maria Graf。1980~90年代に女子テニス界に君臨した。のちにコーチとなる父とともにテニスを始め,13歳で史上 2番目の若さで世界ランキング入りを果たす。1987年全仏オープンで,当時のトップ選手マルチナ・ナブラチロワを破り,世界四大大会で初の優勝を果たした。1988年には,全豪オープン,全仏オープン,ウィンブルドン選手権大会,全米オープンテニス選手権大会を制し,グランドスラム(四大大会制覇)を達成した。さらに,同 1988年大韓民国(韓国)で開催されたソウル・オリンピック競技大会の女子シングルスで金メダルを獲得。集中力,スピード,強力なフォアハンド・ストロークを武器に,1987~91年まで世界ランキング 1位を保持した。ウィンブルドン選手権女子シングルスでは,ナブラチロワの 9勝に次ぐ史上 2位となる 7回の優勝を記録し,全仏オープンで 6回,全米オープンで 5回,全豪オープンで 4回のシングルス優勝を達成した。1999年に引退。2004年国際テニス殿堂入り。
グラフ
Graff, Anton
[生]1736.11.18. ウィンテルトゥール
[没]1813.6.22. ドレスデン
18世紀のドイツを代表する肖像画家。「ドイツのファン・ダイク」と称される。 1756年アウクスブルク,66年ドレスデンに移り,新設のアカデミー教授となった。 1240点の肖像画を描いたことをみずから記録している。モデルには G.レッシング,F.シラーらの著名人も多い。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
グラフ(図形)
ぐらふ
graph
いろいろな数量関係を見やすくするために用いられる図形。統計上の結果を図示する統計グラフと、関数の値を座標によって表す関数のグラフなどがあるが、「統計グラフ」については、その項目を参照されたい。
関数y=f(x)が与えられているとする。このとき、(x, f(x))を座標にもつ点をxy平面上にプロットしていって得られる曲線、すなわち、座標がy=f(x)を満たす点P(x, y)の軌跡を、この関数のグラフという。一次関数y=ax+bのグラフは直線、二次関数y=ax2+bx+cのグラフは放物線になる。また、x、yに関する方程式f(x, y)=0があるとき、この方程式を満たすx、yの値の組(x, y)を座標にもつ点の軌跡を、この方程式のグラフという。f(x, y)がx、yの二次式であるとき、このグラフを二次曲線という。
[竹之内脩]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
グラフ
テニス選手。ドイツ生れ。テニススクール経営の父の指導で4歳からラケットを握り,13歳でプロになる。1984年ロサンゼルスオリンピック公開競技で優勝。1986年ごろから頭角を現し,1987年全仏オープンで大会史上最年少で優勝。1988年全豪,全仏,全英(ウィンブルドン・テニス大会),全米オープンに優勝し,女子では史上3人目のグランドスラムを達成。生涯獲得賞金も女子では史上4人目の400万ドル突破選手となる。1991年に男女通じて史上最高の186週間守った世界1位の座をモニカ・セレシュに譲ったが,同年7月全英オープンに優勝して復活。
→関連項目伊達公子|ナブラチロワ
グラフ
(1)統計のグラフ。統計の内容を図示し,その大要が的確・容易に理解できるようにしたもの。絵グラフ(アイソタイプ等),帯グラフ,正方形グラフ,棒グラフ(ヒストグラム等),円グラフ(扇形グラフ),折れ線グラフ等が用いられる。(2)関数のグラフ。関数y=f(x)の関係を満足するx,yの値の組を,直交座標系O-XYで座標(x,y)をもつ点Pで表し,x,yが連続的に変化するときPが描く曲線を,関数y=f(x)のグラフという。(3)グラフ理論におけるグラフ。一筆書きの絵のように,いくつかの点とそれらを結ぶ線からなる図形をグラフという。グラフ理論では線のつながり方のみを考え,形は問題としない。
→関連項目グラフ理論|統計図表
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
グラフ
graph
グラフということばで呼ばれる数学的対象は3種類ある。第1は統計の結果を具体的にわかりやすく図示した統計グラフ,第2はy=x2など関数の表す曲線,第3はグラフ理論における点と線の集合を表すものである。
→グラフ理論 →統計グラフ
執筆者:飛田 武幸
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
グラフ
数値だけでは読みとれない情報を、視覚化してわかりやすくすることを目的に作成された図表、または図形で表したもの。点、線、面の3要素を基本に作成される。データの分布、推移、内訳、比較を見るのに適しているが、細かい数値の分析には向かないので、その場合は表を利用する。
出典 ASCII.jpデジタル用語辞典ASCII.jpデジタル用語辞典について 情報
世界大百科事典(旧版)内のグラフの言及
【知識表現】より
…応用システムでは具体的な処理対象をフレームで記述することがしばしば行われる。 意味ネットワークは人間の長期記憶の心理学的モデルとして提案されたもので,知識の断片を2項関係のネットワーク,すなわちグラフで表現する知識表現法である。グラフを構成する各ノードとリンクは,それぞれ概念(事象,行為,状態など)とその間の関係とを表す。…
【対応】より
…例えば,実数aに対し,x2=a2-1を満たすすべての実数xを考えると,|a|<1では空集合,a=1,-1では{0},|a|>1ではが定まり,実数から実数へ,一つの対応ができる。ΓがAからBへの対応であるとき,直積A×Bの部分集合{(a,b)|a∈A,b∈Γ(a)}を考えることができ,この集合を対応Γのグラフという。また,Bの各元bに,b∈Γ(a)であるようなAの元a全体のつくる部分集合⊿(b)={a∈A|Γ(a)∋b}を定めると,BからAへの対応⊿が得られる。…
【ネットワーク理論】より
…いくつかの頂点とそれらを結ぶ辺の集合から成る図形をグラフという。グラフ構造を有するシステムにおいて,グラフの頂点および辺に対応する要素を流れるものの流れに注目するとき,グラフを特にネットワークと呼ぶ。…
※「グラフ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」