化学辞典 第2版 「合成塩酸製造法」の解説
合成塩酸製造法
ゴウセイエンサンセイゾウホウ
manufacture of synthetic hydrochloric acid
水素ガスと塩素ガスとを直接反応させ,塩化水素を合成する方法.水素と塩素は一般に日光や火花により爆発的な連鎖反応を起こし,瞬時に塩化水素となる.
H2 + Cl2 = 2HCl + 184 kJ
この反応は多量の発熱を伴うので,爆発の危険を防ぐため,石英ガラス製または不浸透性炭素管製の燃焼バーナーを用い,過剰の水素ガス中で塩素ガスを燃焼させる.バーナー内温度は1000 ℃ に達する.生成した塩化水素はバーナー上部からS字形冷却装置を通して冷却し,吸収管に導く.ここで向流する水に溶解吸収させ,35~38% 塩酸として取り出す.化学的高純度のものが得やすい.[別用語参照]副生塩酸
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報