朝日日本歴史人物事典 「吉田茂氏」の解説
吉田茂氏
生年:天正16(1588)
江戸前期の弓術家。吉田大蔵派の創始者。加賀(金沢)藩前田利家の臣,吉田業茂(弓術家)の3男。通称大蔵といい,父祖の家芸を継ぎ,慶長末に加賀(金沢)藩主前田利常に仕えて射手衆となり,大坂の役に戦功を挙げ1400石を受けた。京都三十三間堂の通し矢に前後7回挑戦し,寛永5(1628)年には総矢2770射のうち1742本を通して新記録を樹立するなど,6回も天下一の名声を挙げ,その技術は他の追随を許さぬものであったという。茂氏によって,加賀藩では通し矢競技および大蔵派の技術が盛んに広まった。<参考文献>日夏繁高『本朝武芸小伝』(新編武術叢書)
(藤堂良明)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報