日本歴史地名大系 「吉良川八幡宮」の解説
吉良川八幡宮
きらがわはちまんぐう
町並の北東山麓に鎮座する。祭神は誉田別尊・神功皇后・比神。旧郷社。勧請年月や創建年代は不明であるが、社蔵の大般若経収納箱に元暦元年(一一八四)寄付の記載があるといわれる。また明応五年(一四九六)の棟札があり、銘(蠧簡集)に「奉造立八幡宮鳥井 大檀越和食親忠」とある。天正一七年(一五八九)の吉良川村地検帳には宮床は記されないが、神田は修理田・承仕田・安居田・彼岸田など八反一代余が記される。
祭礼は現在五月・六月・九月に行われるが、隔年の五月三日に行われる御田祭は古い田遊系の神事のほかに田楽や猿楽能の古形を残し、国指定重要無形民俗文化財。この神事は社伝によれば鎌倉幕府開始期に始まったとされ、一年の御田作事を舞台上に展開する。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報