知恵蔵 「同性結婚」の解説 同性結婚 同性愛者同士の結婚のこと。歴史上、あらゆる社会に、性的な対象として同性を志向する人々(同性愛者)は存在していた。しかし、結婚(社会的・法的に承認された性関係)への希望が強まるのは、1970年代以降である。欧米では同性愛者の権利擁護運動が活発化し、カナダやオランダ、米国のいくつかの市・州では、同性同士の結婚登録が認められている。同性愛者が結婚を望む理由の1つは、法的地位の保証である。多くの国では、社会保障や税制(配偶者控除や相続)などにおいて夫婦を優遇しており、また欧米では、法的・社会的・宗教的に認められた結婚こそが愛情の証しであるという意識が強い。日本では、成人同士の養子縁組が容易で、法的地位の確立の手段として利用でき、また、結婚が愛情の証しという文化が浸透していないため、同性愛者の結婚を求める動きはまだ大きくなっていない。 (山田昌弘 東京学芸大学教授 / 2007年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報 Sponserd by