愛情(読み)アイジョウ

デジタル大辞泉の解説

あい‐じょう〔‐ジヤウ〕【愛情】

深く愛し、いつくしむ心。「愛情を注ぐ」
(性愛の対象として)特定の相手を恋い慕う心。「ひそかな愛情をいだく」
[用法]
[補説]書名別項。→愛情

あいじょう【愛情】[書名]

原題、〈スペインTernuraミストラルの第二詩集。1924年マドリードで刊行。処女詩集「荒廃」の〈ゆりかご歌〉の章の作品に、子供のための作品を加えて編纂しなおしたもの。別邦題「いつくしみ」「情愛」。

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デジタル大辞泉プラスの解説

愛情

日本のポピュラー音楽。歌は女性歌手、小柳ゆき。2000年発売。作詞:小柳ゆき、樋口侑、作曲:原一博。

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大辞林 第三版の解説

あいじょう【愛情】

人や物を心から大切に思うあたたかい気持ち。いつくしみの心。 「 -を注ぐ」
異性を恋しく思う心。 「ほのかな-を抱く」

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精選版 日本国語大辞典の解説

あい‐じょう ‥ジャウ【愛情】

〘名〙
① 相手をいとしく思う気持。人や物に対するあたたかい
※貞享版沙石集(1283)八「若し愛情なくは生死断絶せん」
※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉一八「古昔の人徒らに義理に厚ふして愛情に薄し」
異性に対して恋い慕う心。
※万葉(8C後)四・五三五・左注「安貴王娶因幡八上采女。係念極甚愛情尤盛」
※計画(1912)〈平出修〉「二人が育てた九年間の愛情をも虐殺してしまった」
[語誌]「情愛」は中国古典に多く見られるが「愛情」の例は少なく、意味も「愛惜」に近いが、日本には古くから用例がみられ、一般に相手をいつくしみ、いとしむ感情を表わし、異性に対していう場合には優位者としての男性から女性に注がれる感情を表わす傾向があった。森鴎外「舞姫」では「余がエリスを愛する情」「時として愛情を圧せんとせしが」のように用いられ、やがて対等相愛の感情としての②の挙例「計画」に見られる表現や「男女の愛情」(長谷川時雨マダム貞奴」)というような表現が一般化していく。

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最新 心理学事典の解説

あいじょう
愛情
love,affection

親や子,恋人や友人などの特定の相手を愛する感情。さらに物や動物,所属集団を愛する気持ちも含まれる。愛情は,精神分析学,動物心理学,発達心理学などさまざまな領域で検討されてきた。近年では社会心理学の領域で恋愛関係における愛情romantic loveを対象とした研究が行なわれている。

 愛情を実証的に検討する試みは,1970年代に本格的に開始された。それ以前,愛情は対人魅力の一種として扱われ,好意と区別されていなかった。しかしルビンRubin,Z.は,愛情と好意が質的に異なると考え,両者を弁別する尺度を作成した。この研究において愛情は,親和・依存欲求,援助傾向,独占と排他性という三つの特徴によって定義されている。ルビン以降,愛情に関するさまざまな研究は,愛情の測定を目的とした研究と愛情や恋愛関係の変化を説明する理論とに分けられる。

【愛情の測定】 ルビンの研究を契機に1970年代から80年代には,愛情を測定する研究が数多くなされた。それらは類型論と特性論とに大別される。

 類型論では,愛情をいくつかのタイプに分類し,各タイプの特徴を記述する。たとえばバーシャイドBerscheid,E.とウォルスターWalster,E.は,愛情を強い情動的な感情を特徴とする熱愛passion loveと穏やかで親しみある感情を特徴とする友愛companionate loveの二つに分類している。またリーLee,J.A.が提唱した恋愛の色彩理論において,愛情は,ルダス(遊びの愛),プラグマ(実利的な愛),ストーゲイ(友愛的な愛),アガペ(愛他的な愛),エロス(美への愛),マニア(狂気的な愛)に類型化されている。この6種は,色相環のように円状に配置される。ルダスとプラグマのように隣接するタイプは類似した特徴をもち,ルダスとアガペのように対極に位置するタイプは正反対の特徴をもつとされている。

 一方,特性論では,愛情を構成するいくつかの要素を抽出し,各要素の組み合わせによって愛情を表現する。代表的なものとしては,スタンバーグSternberg,R.J.の提唱した愛の三角理論が挙げられる。この理論において,愛情は親密性,情熱,コミットメントの3要素によって表現される。親密性は相手と結びついているという感情であり,恋愛の中心的な要素である。情熱とはロマンスや身体的魅力によって生じる要素であり,相手とかかわる動機となる。コミットメントとは関係への関与であり,短期的には相手を愛する決意であり,長期的には愛を持続する約束などを意味する。

 このほかにも類型論と特性論の立場から,さまざまな愛情に関する測定尺度が開発されてきたが,扱われている内容には共通する部分も多い。近年のメタ分析では,大半の尺度において熱愛と友愛の二つが含まれていることが明らかにされている。その一方で,性衝動や生理的覚醒の扱いや,愛情と友情との関係については,研究によって見解が分かれている。

【愛情を説明する理論】 どのようにして愛情が生じ,変化していくのかという問題について,さまざまな立場から説明が試みられてきた。その中でも代表的なものは以下の五つである。

1.成人アタッチメント理論adult attachment theory ハザンHazan,C.とシェーバーShaver,P.R.は,もともと乳幼児期の親子関係を対象としていたアタッチメント理論attachment theory(愛着理論)を恋愛関係に援用した,成人愛着理論を提唱した。親子関係と恋愛関係は,身体接触や分離苦悩など多くの共通点があり,いずれも強い絆を伴う愛着attachmentの関係とみなすことができる。この理論では,乳幼児期の親子関係によって自己や他者に対する信念が形成され,その信念が成人期の恋愛関係に影響を及ぼすと考えており,発達的な視点が重視されている。

2.社会的交換理論social exchange theory この理論に基づく研究では,二者関係におけるコストや報酬によって恋愛関係を説明する。たとえばケリーKelley,H.H.とチボーThibaut,J.W.の相互依存性理論によれば,報酬とコストの差によって算出される関係の成果が,評価基準を上回る場合に関係が持続する。一方,アダムスAdams,J.S.やウォルスターWalster,G.W.の衡平理論equity theoryでは,関係に投入したコストに対して得られる報酬の比率に注目している。自分と相手の比率が等しい場合は,衡平な状態であり,関係にも満足しやすい。しかし,相手の比率が大きい場合には不満や怒りを感じ,逆に自分の比率が大きい場合には罪悪感を抱きやすい。

3.進化心理学evolutionary psychology 進化心理学の立場からの研究では,適応的な生殖行動が男女で異なるために,さまざまな性差が恋愛中に生じると考える。たとえばバスBuss,D.M.によると,男性が女性の身体的魅力を重視し,相手の身体的浮気に強く嫉妬する反面,女性が男性の経済力を重視し,相手の情緒的浮気に強く嫉妬するという性差は,文化の異なる国においても共通する現象である。

4.段階理論stage theory 二者関係が形成・進展していく過程を,親密さの異なるいくつかの段階に分けて整理する考え方は,一般的に段階理論とよばれる。段階理論では,各段階において評価基準を満たした場合に,より親密な段階へ進むと考えられている。マースタインMurstein,B.I.は,結婚に至る過程を,身体的魅力などの刺激が重視されるS段階,価値観の共有が重視されるV段階,役割の適合性が重視されるR段階の3段階に分けるSVR理論を提唱している。恋愛関係を対象とした段階理論としては,ほかにルイスLewis,R.の6段階説や松井豊の恋愛の5段階仮説などが挙げられる。

5.自己拡張理論self-expansion theory アロンAron,A.とアロンAron,E.N.は,自己を広げたいという自己拡張動機によって親密な関係の形成や維持を説明する自己拡張理論を提唱している。この理論では,物の所有や知識の習得と同様に,恋愛も自己拡張動機を満たすために行なわれていると考えられている。たとえば恋愛関係の初期には,自己開示などを通して相手に関する新しい情報を大量に入手し,それらを取り込むことで自己が拡張しやすい。その結果,自己拡張動機が満たされ,関係に満足しやすい。しかし,関係が進展し,相手の多くを取り込んでからは,相手に関する新たな情報が得にくくなるため,自己拡張しやすい活動を二人で共有することが重要であると説明されている。 →アタッチメント理論 →対人魅力
〔立脇 洋介〕

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