同質異像(読み)どうしついぞう

日本大百科全書(ニッポニカ)「同質異像」の解説

同質異像
どうしついぞう

同一の化学組成をもつ複数の固体が、異なった原子配列をもっている状態にあること。たとえば石墨とダイヤモンドはどちらも炭素のみからなっているが、原子配列は異なり、後者のほうが密な原子配列をもっていて、高圧条件下で安定である。石墨は炭素の常圧安定変態(略して常圧変態あるいは常圧相)、ダイヤモンドはその高圧変態(あるいは高圧相)である、というようにいう。前記の変態とは物質の物理的状態を示す用語であるのに対し、相は均質性を保証する化学的状態を示す用語である。関係する相が2種類の場合を同質二像、3種類の場合を同質三像という。二酸化ケイ素SiO2については少なくとも同質八像まであるといわれている。

[加藤 昭 2018年5月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の同質異像の言及

【鉱物】より

…化学組成としては,簡単な種よりあげると,元素鉱物,酸化鉱物,硫化鉱物,ハロゲン化鉱物,塩類鉱物(ケイ酸塩を含む),その他となる。 鉱物のなかには同一化学組成をもつがその結晶構造に異なる形式を示すものがあり,多形あるいは同質異像と呼び,この関係にある鉱物も別種の鉱物となる。このような根拠のもとに約3500種(亜種などを含め5000種ともいわれる)の鉱物を分類しているが,その代表的なものを表,表(つづき)に示す。…

【多形】より

…同一の化学組成(分子からなる場合には同一の分子)の固体物質が互いに異なる結晶構造をもった相を生ずる場合に,それらの相を多形という。多形の各相は結晶構造が互いに異なるから,結晶形態も互いに異なり,したがって多形現象のことを同質異像ともいう。多形の各相にはそれ自身に特有な温度・圧力の安定領域があり,一つの安定領域から他の安定領域に移すと,その結晶構造は変化して相転移を起こすが,ただこの変化には難易があり,現実には相転移を実現させるのが困難なこともある。…

※「同質異像」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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