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多形 たけいpolymorphism

翻訳|polymorphism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

多形
たけい
polymorphism

同質異像,同質異形ともいう。同一の化学組成をもつが,構造が異なる結晶。結晶成長時の温度や圧力などの諸条件によって生じる場合と,結晶となったあとの相転移によって生じる場合がある。たとえば二硫化鉄は黄銅鉱形と白鉄鉱形の2形をとる。元素の多形を特に同素体と呼んで区別することがある。例として炭素の同素体にはダイヤモンドグラファイトがある。

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百科事典マイペディアの解説

多形【たけい】

同質異像とも。化学組成がまったく同じで,結晶構造の異なる物質は互いに多形であるという。石墨(黒鉛)とダイヤモンド,方解石とアラレ石などがその例。安定に存在できる物理条件の違いにより,高温型と低温型,高圧型と低圧型などに区別される。
→関連項目アラレ(霰)石カオリン鉱物仮像クリストバライトケイ(珪)線石紅柱石石英炭酸塩鉱物トリディマイト白鉄鉱ラン(藍)晶石

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岩石学辞典の解説

多形

同一の組成で異なった形態や物理的性質を持つ物質.多形の表示には一般に次のようにする.(1) ギリシャ文字を用いてα─石英,β─石英として示すが,英国と米国では低温型をαとし,一方ドイツではαは高温型に用いる.(2) 数字でI,II,IIIとして表示する.(3) 転移温度を用いて,quartz-573などと表示する.(4) 低温型石英,高温型石英と表示する.

多形

同一化学組成で,一種類以上の結晶形をもつ物質の鉱物.このような現象を多形現象または同質異像(polymorphism)といい,個々の相関係を多形(polymorph)という.ギリシャ語のpolysは多くの意味.

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世界大百科事典 第2版の解説

たけい【多形 polymorphism】

結晶学の用語。同一の化学組成(分子からなる場合には同一の分子)の固体物質が互いに異なる結晶構造をもった相を生ずる場合に,それらの相を多形という。多形の各相は結晶構造が互いに異なるから,結晶形態も互いに異なり,したがって多形現象のことを同質異像ともいう。多形の各相にはそれ自身に特有な温度・圧力の安定領域があり,一つの安定領域から他の安定領域に移すと,その結晶構造は変化して相転移を起こすが,ただこの変化には難易があり,現実には相転移を実現させるのが困難なこともある。

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大辞林 第三版の解説

たけい【多形】

同一の化学組成をもつ物質が、圧力や温度などの変化によって異なる結晶構造をもつこと。例えば、方解石と霰石あられいし、黒鉛とダイヤモンド。同質異像。多像。

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世界大百科事典内の多形の言及

【多型】より

…同一種の生物集団に形態やその他なんらかの形質について異なった2種類以上の個体が共存することを多型という。雌雄の区別がある生物では,大きさ,形,色などが違うことが多く,この場合を性的二型sexual dimorphismという。これに対してハチやアリのような社会性昆虫では違った働きをする個体が共存しており,これを社会的多型social polymorphismという。またアゲハチョウやジャノメチョウなどでは季節によって違った斑紋をもつものがあるが,これは季節的多型seasonal polymorphismと呼ばれる。…

【同素体】より

…同一の元素(同じ原子番号Zの原子種)が,原子配列や結合のしかたの異なる種々の単体(分子または結晶)として存在するとき,これらの単体を同素体allotropeと呼び,この関係にある単体は互いに同素体allotropyであるという。単体結晶における多形の現象もその多くは原子配列の相違による同素体の例である。酸素O2とオゾンO3,ダイヤモンドと黒鉛,黄リンと赤リン,α硫黄とゴム状硫黄など多くの例がある。…

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