同軸回転翼式ヘリコプター(読み)どうじくかいてんよくしきへりこぷたー(その他表記)coaxial rotor helicopter

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

同軸回転翼式ヘリコプター
どうじくかいてんよくしきへりこぷたー
coaxial rotor helicopter

二つの互いに反対方向に回る回転翼を、機体の重心付近にほぼ鉛直に設けた回転軸上下に配置したヘリコプター。同軸反転式、同軸逆転式などともいう。回転翼が一つであると回転によって胴体を逆方向に回そうとする反動トルクが働くが、この型式では回転翼だけで反動トルクが打ち消されるので補助回転翼の必要がなく機体を小型にでき、操縦性、安定性もよいという特長がある。しかし、回転軸を二重にして駆動するので構造が複雑になり、上下の回転翼の干渉で効率が低下するのが欠点とされている。初期によく使われた型式であるが、旧ソ連で中・小型機に採用されていたほかはあまり使用されていない。

[落合一夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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