后坂(読み)きみまちざか

日本歴史地名大系 「后坂」の解説

后坂
きみまちざか

[現在地名]二ッ井町きみまち坂

荷上場にあげばから藤琴ふじこと川を渡った小繋こつなぎとの境にある。奇岩怪石で名高く、眼下に蛇行する米代川を望み、川向いの七座ななくら山などの眺望が美しい。この坂が米代川・藤琴川に面して峻険な崖を有するところから、近世には羽州街道は荷上場村と小繋村の間を、舟運に頼らねばならなかった。正保四年(一六四七)の出羽一国絵図には畜生ちくしよう坂とあり、菅江真澄の「しげき山本」には加護山かごやまの坂とある。明治一四年(一八八一)の明治天皇の東北巡幸の記録には、小繋側を馬上ばじよう坂、荷上場側を郭公かつこう坂と別々に称している(二ッ井町史)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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