荷上場村(読み)にあげばむら

日本歴史地名大系 「荷上場村」の解説

荷上場村
にあげばむら

[現在地名]二ッ井町荷上場・加護山かごやま

藤琴ふじこと川と米代川の合流点にある。北は矢坂やさか村・大沢おおさわ(現藤里町)、東は秋田郡今泉いまいずみ村・前山まえやま(現北秋田郡鷹巣町)、西はたね村、南は比井野ひいの村に接する。藤琴川沿いに若干の耕地を有するが、その左右は山地。「梅津政景日記」慶長一九年(一六一四)八月四日条に「荷あけ場」とある。ここから秋田郡小繋こつなぎ(現二ッ井町)までは、藤琴川と畜生ちくしよう(現きみまち坂)が障害となって舟運に頼るしかなく、そのための舟場として集落が発達した。村名もそれに由来する。

秋田風土記」に「古城在。往古額田何某居住といへり。時代とも不詳」とあり、菅江真澄の「しげき山本」には「荷上場の梅林寺のしりなる山に柵ありて、額田甲斐守といふ主すめり」とある。額田甲斐守は浅利氏重臣で、戦国末期に村は浅利氏の支配下にあった。

享保一五年(一七三〇)の「六郡郡邑記」に「町館と云処より移る、今町館畠に成る」とあり村の移動が知られるが、その後、宝暦五年(一七五五)洪水で村が流され(八七軒流失、一〇軒が破損)、新たに比井野ひいの村に屋敷地を得て引っ越した(「引越方御用口上書」菊池家文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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