① カッコウ科の鳥。全長約三五センチメートルで、ホトトギスより大きい。背面は濃灰色で、腹面には白地に黒色の横斑が不規則に並ぶ。まれに全身赤味を帯びた赤色型がいる。自分で巣を作らず、モズ、オオヨシキリなどの巣に産卵し、それらの鳥を仮親として育てさせる。ユーラシア大陸中北部に広く分布し、日本には五月頃渡来し、八月頃去り始める。平地から低山にすみ、主に昆虫を捕食する。鳴き声は「カッコー」と聞こえる。かっこどり。かんこどり。がっぽうどり。よぶこどり。ふふどり。《 季語・夏 》
[初出の実例]「郭公や瑠璃沼蕗の中に見ゆ」(出典:蘆刈(1939)〈水原秋桜子〉)
② 鳥「ほととぎす(杜鵑)」をいう。「ほととぎす」の漢字表記「郭公」を音読したもの。〔十巻本和名抄(934頃)〕