日本大百科全書(ニッポニカ) 「吾妻兼治郎」の意味・わかりやすい解説
吾妻兼治郎
あづまけんじろう
(1926―2016)
彫刻家。山形市の鋳物職人の家に生まれる。1953年(昭和28)東京芸術大学彫刻科在学中、新制作展に初入選、翌1954年卒業後専攻科に進み、同展で新作家賞。1956年イタリア政府給費留学生として渡欧、国立ブレラ美術学校マリノ・マリーニ教室に入学し、1960年の卒業後マリーニの助手となる。1961年以来イタリア、ドイツ、オランダ、日本で個展を開き、国際展で受賞を重ねた。高村光太郎賞(1964)、毎日芸術賞(1975)を受賞。ミラノに在住、有機的な孔(あな)をうがった抽象彫刻『MU』(無)の連作を制作。1985年からは『YU』(有)シリーズを手掛けた。1995年、紫綬褒章受章。
[三木多聞]