和泉郷(読み)いずみごう

日本歴史地名大系 「和泉郷」の解説

和泉郷
いずみごう

和名抄」高山寺本は「出水」と書き、「伊豆三」と読む。同書伊勢本・東急本は「和泉」と書き、「伊豆美」と読む。同書名博本は「出水」と記し、「イツミ」と訓を付す。平城宮跡出土木簡に「阿波国那賀郡出水郷戸主秦人石 益庸米五斗」とある。この郷について「阿波志」は「今廃本荘村有泉里」とし、本荘ほんじよう(旧長生村、現阿南市)にある和泉(泉)を当郷の遺称とする。「阿府志」は「本庄村ノ内ニ和泉ト云所ノ名在、荒井上下今市石塚領家ヨリ見能潟アタリ海辺マテ」とし、本荘村以外に桑野くわの川沿いの下流域になる荒井あらい今市いまいちなどの旧宝田たからだ(現同上)石塚いしづか領家りようけなど旧富岡とみおか(現同上)、さらには鍛冶ヶ峰かじがみね山塊の東麓で海に近い見能方みのかた(現同上)までを当郷の広がりとみる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android