普及版 字通 「咸」の読み・字形・画数・意味


9画

[字音] カン
[字訓] おわる・ことごとく・みな

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
戉(えつ)+口。戉は鉞(まさかり)。口は(さい)、祝盟誓を収めた器の形。その上に聖器としての戉を加え、これを封緘する意で、緘の初文。ことがすべて終わり、完了する意。〔説文〕二上に「皆なり。悉なり」とし、「口に從ひ、戌に從ふ。戌(じゆつ)は悉(しつ)なり」と声の関係を以て説くが、祝誓のことが終わってこれを封緘し、ことの終わる意を示す字とみるべきである。金文の〔班(はんき)〕に「鈴勒(車馬用の鈴)を賜ふ。咸(をは)る」、〔令彝(れいい)〕「に咸(ことごと)く命ず」、〔叔夷(しゆくいはく)〕「九州を咸す」のように用いる。

[訓義]
1. おわる、つくす。
2. みな、ことごとく。
3. やわらぐ、おなじ、ひとし。
4. と通じ、はこ。
5. 緘と通じ、なわ、しめなわ。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕咸 ミナ・コトコトク・オナジク・シキル・ツツム・ヘク・ヤハラカナリ・ヨシ・スコシ・ウカガフ・マコト

[声系]
〔説文〕に咸声として・箴・・感・減・・緘・鍼・鹹など十三字を収める。咸は聖器を以て祝・盟誓の器を封緘する意で、その声義を承けるものが多い。箴・鍼はまた別に一系をなす字である。

[熟語]
咸熙咸喜咸宜咸竭咸亨咸集咸縄咸池咸秩咸黜咸劉咸和
[下接語]
季咸・巫咸・彭咸

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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