啐啄の機(読み)そったくのき

故事成語を知る辞典 「啐啄の機」の解説

啐啄の機

禅で、弟子が悟りを開くことができる段階に達したその瞬間に、師匠が悟りのきっかけを与えることのたとえ。転じて、ものごとを成し遂げるための、えがたいチャンスのたとえ。

[使用例] 発光のショックにちょっとたじろぎはしたが、光はあるかたちを私にはっきり見せた。啐琢同時であったのだろう[幸田文*こんなこと|1950]

[由来] 「碧巌録―一六」に出て来る話から。九~一〇世紀の僧、きょうしょう禅師は、常々、「ひな鳥が卵からかえるときには、『啐(ひな鳥が内側から出ようとすること)』と『啄(母鳥が卵を外からつついて殻を割ってやること)』が同時に行われる。それと同じように、禅の師匠も、弟子が悟りを開こうとする瞬間を見抜く力を持っていないといけない」と述べ、その瞬間のことを「啐啄の機」と呼んでいた、ということです。

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