喜兵衛島遺跡(読み)きべえしまいせき

日本歴史地名大系 「喜兵衛島遺跡」の解説

喜兵衛島遺跡
きべえしまいせき

[現在地名]直島町 喜兵衛島

製塩遺跡と一七基の後期古墳を総称し、国の史跡に指定されている。喜兵衛島は周囲約二・三キロ、岡山県玉野市宇野うの港の沖二キロの所にある島で、低い丘陵が東西に走り、南北にそれぞれ二ヵ所の砂浜が形成されている。製塩遺跡はこの南北四ヵ所のいずれにもあるが、調査は南側の二ヵ所について実施されている。この調査で豊かな製塩土器の包含層に隣接して、製塩用の炉や作業場として使用されたと思われるタタキ面が検出されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の喜兵衛島遺跡の言及

【塩】より

…瀬戸内などの地域では,奈良時代に鉄製の塩釜の記録がみえ,また塩浜を思わせる記事が知られていることから,いち早く土器製塩法を脱し,原初的な塩田採鹹法と結んだ大型容器による煮沸煎熬が開始されたと考えられる。 土器製塩遺跡の構造は,香川県直島町喜兵衛島遺跡を例にとると,遺跡のほぼ中央に炉があり,その回りに作業面が広がり,ついでその外方に莫大な使用ずみの製塩土器,灰,炭などの捨て場が形成される。炉は石組みのもの,石敷きのもの,灰土で壁をつくるものなどあり,大は福井県大飯町船岡遺跡の長径約5m,短径約1.8mの石敷炉,小は香川県坂出市ナカンダ浜の長径約1.0m,短径約0.7mの灰土炉などがある。…

※「喜兵衛島遺跡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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